買取に切手カタログの評価額はあてにならない
切手の価値を知る上で非常に役立つ「日本切手カタログ」や「さくら日本切手カタログ」は、これまで日本で発売されたすべての切手の評価額や発行数などが掲載されており、収集家であれば間違いなく手にしたことがある本だと思われます。
私も切手を集めていた小学生のころ食い入るように見ていた記憶があり、切手マニアにとっては見ているだけで楽しいこの日本切手カタログ。
切手を集めている方の多くが持っているとあって、いざ切手を売る際はこの本の評価額に近い額で買い取ってもらえると思われがちですが、切手カタログでの評価額と実際の買取額にはかなりに開きがあったりします。
切手カタログと実際の買取額にはどのくら差があるのでしょうか?
驚くほど大きい切手カタログの評価額と買取額の差
日本切手カタログでの評価額と実際の買取額の差を、多少でも切手の知識がある方であればだれもが知っているであろう人気切手の代表格「見返り美人」を例に取って考えてみましょう。
見返り美人の現在の日本切手カタログ上での評価額は未使用のバラで15,000円、5枚シートで90,000円となっていますが、これはあくまでも超美品レベルの参考値。実際に見返り美人が15,000円で売られていることはまずありません。
折り目やシワ、ヒンジ跡などがなく状態の良いものでも5,000円超くらいがせいぜいで、程度が落ちるにつれ当然のことながら値段は下がり3,000円程度で売られる場合も。
しかもこれは業者による「販売額」での話であり買取額はさらに下がることになります。仮に5,000円以上で売れるような美品の見返り美人でも買取額は2,000~3,000円が関の山。程度が落ちれば1,000円を下回ることも十分に考えられます。
日本切手カタログの評価額はあくまでも最高の状態のものを考えうる限り高い値段を付けたものという位置づけで見ておくべき…というか、切手収集がもっと人気だった昔の価格のまま変えていないというのが実情。
実際の販売額はもちろん買取額は切手カタログの数分の1程度と見ておきましょう。
切手カタログの評価額はあくまでも参考程度に
買取額の目安を量るうえで必ずしも参考になるわけではない日本切手カタログ。
とはいえ日本切手カタログやさくら日本切手カタログの評価額が買取においてまったく役に立たないと断言するつもりはありません。買取額を知るには大まかな切手の価値を知っておく必要があり、そういった意味では切手カタログに勝るものはないからです。
ただ、ここに掲載されている評価額はいわゆる「希望小売価格」に近いものであり、ここで書かれている値で売られていることはほとんどない。実際の販売額は程度などを考慮し半値程度くらいを目安にしておくべきです。
そして買取額は実際の販売額の2~3割程度、どんなに美品でも5割ほどと想定しておいたほうがいいでしょう。
これだけ安く買い叩かれる原因は近年の切手コレクターの減少に加え、切手ブーム真っ只中だった団塊の世代のコレクションを本人の逝去などによって家族が処分・整理する動きが活発化しているから。
この動きは今後さらに広がってくると見られます。需要が減る一方で供給ばかりが増えることになりますから、買取額は今後も徐々に下がってくるものと予想されます。
ちなみに、見返り美人や月に雁のようなプレミアム切手であれば日本切手カタログの評価額の数分の1程度の買取額を覚悟しなければならないものの、額面60円前後評価額100円や120円くらいの比較的新しい切手はシートであればその限りではありません。
そういったプレミアムな価値がない気っては額面の80~90%…つまり62円のものであれば1枚あたり50円前後で買い取ってもらえますから、プレミアム切手の買い叩かれっぷりに比べればそれほどガッカリすることはないかもしれません。
あくまでも「割合的に」という意味合いになりますけどね。
切手を少しでも高く簡単に売るために
一口に切手を売るといっても買取を行う業者は数多く、実績や買取額は千差万別。そんな中確かな実績を背景に全国展開を行い多くの支持を得ているのが「バイセル」です。
出張査定はもちろん宅配での買取も行っており、わざわざ店舗に出向く必要がないのは嬉しいところ。万が一査定額に満足できない場合のキャンセルはもちろん無料です。
かつては切手を集める趣味はポピュラーでしたが、現在切手収集家の数は減少の一途をたどり切手の価値は日に日に下がってきています。いらない切手が家にあるのであれば、少しでも早く換金したほうが得策です。
汚れていたり使いかけであったりしても買取の対象になる場合もあるため、とにかく一度プロの査定してもらうことが重要になります。
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