切手を少しでも高く買い取ってもらうコツは?
かつてコレクションしていた切手が不要になり売却する際の買取額というのは言うまでもなく切手自体の価値が大きなウェイトを占めますが、そこには工夫やコツが入り込む余地はないのでしょうか?
せっかく集めた切手を買い取ってもらう以上少しでも高く売りたいというのは誰もが感じること。そのためにできることがあるならできる限り実践しておきたいですよね。
ここではそんな切手の買取額を少しでも高くする方法やコツを取り上げていきます。これから切手を売ろうと考えている方は参考にしてみてください。
切手の売却は買取業者の選定が重要
切手の相場というのは大体決まっているものの、業者によって欲しがっているものや力を入れているものは異なります。また査定をするのはあくまでも“人”なので、業者はもちろん査定する人によっても買取査定額は違ってきます。
古い切手・レアなものほど専門知識が必要になるためできるだけ切手の知識が豊富な店に売るのが基本に。その点を押さえた上で少しでも高く買い取ってくれる業者を探す必要があります。
買取額が1、2万円くらいであれば探す手間や時間的損失を考えると業者の選定にこだわるのは無駄とも感じますが、数が膨大で数十万円になるような場合は店や業者の選定で買取額は予想以上に大きく変わってくるのです。
これまで熱心に切手を集めてきた方の場合、額面だけでも数十万円~多ければ数百万円に上ることも珍しくないため、この規模になると複数の買取業者に査定を依頼するべきと考えます。
近くに専門業者があればそちらも利用しつつ、切手を得意とする買取業者にも出張査定や宅配査定を頼むべき。とにかく多くの買取業者に査定してもらう。これが少しでも高く買い取ってもらう重要な要素となります。
買取査定額が不満なら遠慮なくキャンセル・保留を
出張査定は査定額に不満があったしても断りづらい、宅配買取の場合は送ったらキャンセルしづらいと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、査定額に満足できない場合は気にせずにキャンセルすべき。
宅配買取の場合返送の送料だけは取られる場合もあるでしょう。しかし数十万円レベルの買取ともなると送料1,000円前後の損失より、より良い業者を見つけることのほうが大局的に見て大きな利益に繋がります。
査定額が気に入らない・他の業者の査定額も見てみたいという場合は遠慮なく送り返してもらうようにしましょう。
出張査定についても同様。足を運んでもらったという負い目を感じることなく毅然とした態度でお断りしましょう。そうすることで業者が妥協し買取額をアップさせる可能性もあるからです。
買取業者にとって買取キャンセルのコストも考慮したうえで切手の買取額や販売価格を決めています。気に入らない場合はとありえず保留しておくのが得策といえるでしょう。
金券ショップも上手に活用する
金券ショップは商品券やチケットなどをメインに扱いつつ切手もついでに売買しているというスタンスの店が多く、また切手をメインに扱う業者のように専門知識があることも少ないため基本的に買取額は額面に依存します。
そうなると当然額面が数円…もっと古いものだと数十銭になるプレミア切手にはほとんど価値が付かないことになるため、餅は餅屋のことわざどおり切手は専門業者に持ち込むのがベストとされています。
しかし比較的新しい記念切手は日本郵政の乱発などによってほとんどの場合額面以上の価値は付かない現実が。そういったものは実用的な用途で法人などの需要も見込め回転率の高い金券ショップのほうが高く買い取ってくれる場合もあるほど。
金券ショップの中には額面の90%くらいで買い取ってくれる店もありますから、プレミア切手以外はそういった店に売ってしまうというのも一つの手です。
バラの切手は台紙・用紙に貼る
額面以上の価値がないバラの記念切手や普通切手は台紙に貼ることによって買取額のアップが期待でき、場合によっては買取額が20%以上上がることもあります。
「切手を台紙に貼るってどういうこと?」と感じる人もいるでしょう。これは主に法人向けの料金別納郵便の支払いに使われるもので、あらかじめ台紙にはっておいてくれると金額の管理などが楽になるため需要が高いのです。
ただし、バラの切手を適当に貼ればいいというわけではなく貼り方にはしっかりとルールが存在します。そのルールとは…
- 台紙はA3用紙かA4用紙を貼り合わせA3の大きさにしたもの
- 枚数は多くの場合きっちり50枚
- 50枚はすべて同一額面でなければならない
- 同一額面であれば普通・記念の種類は問わない
- パッと見てすぐに50枚と分かるようできるだけ揃えて貼る
- 糊は切手本来のものでも事務用などの糊でも構わない
台紙の大きさは多くの場合A3サイズ。店によってはB4の場合もあり、枚数に関してはA3用紙であれば50枚が一般的です。B4なら40枚など業者によって若干異なる場合も。
50枚に届かなくても同一額面の切手を台紙に貼っているだけである程度高く買い取ってくれることもありますので、まずはお近くの金券ショップに問い合わせてみるのがベストでしょう。
切手は貼ってしまうと価値が下がるイメージがありますが、料金別納郵便の支払いに使う企業にとって現金で支払うより安価に済ませられ、かつ管理が楽で手間がかからない台紙貼りの切手ほどありがたいものはありません。遠慮なくガンガン貼ってしまいましょう。
とにかく早く売る
一般的に歴史的価値があるものやタマ数が少ないものというのは時間の経過とともに価値が上昇していきます。2000GTなどかつての名車やアンティーク家具などが良い例ですね。
その理由は時間と共に劣化や不慮の事故などによって数が減っていってしまう一方で、それを欲しがる人が根強く存在するから。「需要に対し供給が減るから」と言い換えることもできます。
しかしこと切手に関しては状況が大きく異なります。
このグラフは切手コレクター数の推移と今後の予想。昭和40~50年頃は絶大な人気を誇った切手収集もその後は先細る一方となり、今後も復活の可能性はないと見られています。
それは切手相場にも明確に現れています。かつては1枚15,000円ほどの価値を誇った見返り美人も、現在はメルカリなどで1枚1,000~2,000円で取引されている状況。希少価値が高い5枚1組のシートでやっと15,000円に届くかどうか。
メルカリは個人売買であるため価格が抑えられる傾向にあるものの、切手を販売する業者から購入するとしても3,000~5,000円程度で手に入れることができます。
これは切手を欲しがる人が減っていることに加え、かつてのコレクターの死去や身辺整理により切手を手放す人が増えたことによるもの。需要が減り続けている状況に対し供給は増え続けているのです。
この傾向は今後も続くと見られていることから、少しでも価値が残っているうちに売ってしまうというのが現実的な選択。切手は保有し続けるほど価値が下がってしまうのが実情なのです。
こう考える人が増えれば増えるほど切手の価値は加速度的に下がっていきます。それを避けるためには少しでも早く売り抜けるしか方法はありません。
枚数が多ければ多いほど売り方にこだわろう
売ろうとしている切手の枚数が少なく数千円~1万円くらいにしかならないようであれば、買取査定額は基本的にどこの切手業者や金券ショップに売っても大きな違いはありません。
そのため古い切手や新しい切手が混在している場合は宅配買取で、比較的新しいもので構成されているなら金券ショップも視野に入れ査定してもらうのが一番無駄のない売却法といえるでしょう。
一方、もし切手の数が膨大で額面だけでも数十万円を超える場合は店や業者の選び方で買取額は大きく変わってくるため、そこはしっかりと見極めたいところ。
ただし、最近は切手に詳しい専門の買取業者も台紙による査定アップなどを実施しています。基本的には専門知識のあるところに査定を依頼するのが間違いのない方法だと思います。
近年は実用性のある額面60円や80円などの新しい切手の需要が強い一方で、昔からの切手コレクターの高齢化や切手コレクターの減少によって「見返り美人」や「月に雁」に代表されるプレミア切手の供給は過剰になりつつあり価格は減少の一途を辿っています。
今後もその傾向は続くと見られますから、プレミア切手を少しでも高く売る方法は“価値が下がらないうちになるべく早く売ること”と言えるかもしれません。身も蓋もありませんが。
記念切手に関しても現在は毎週のように何かしらの記念切手やグリーティング切手が100万シートレベルで発売されており将来的な価値の上昇も期待できないことから、売却を考えているのであれば法人からの需要が根強く額面の80~90%で買い取ってもらえる今が良いタイミングと考えます。
切手を少しでも高く簡単に売るために
一口に切手を売るといっても買取を行う業者は数多く、実績や買取額は千差万別。そんな中確かな実績を背景に全国展開を行い多くの支持を得ているのが「バイセル」です。
出張査定はもちろん宅配での買取も行っており、わざわざ店舗に出向く必要がないのは嬉しいところ。万が一査定額に満足できない場合のキャンセルはもちろん無料です。
かつては切手を集める趣味はポピュラーでしたが、現在切手収集家の数は減少の一途をたどり切手の価値は日に日に下がってきています。いらない切手が家にあるのであれば、少しでも早く換金したほうが得策です。
汚れていたり使いかけであったりしても買取の対象になる場合もあるため、とにかく一度プロの査定してもらうことが重要になります。
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